結論から言います。上司に毎日詰められて心がすり減っているなら、INFPのあなたに今の営業職は基本的に向いていません。ただし「上司との相性が最悪なだけ」なのか「営業そのものが合わない」のかは、分けて考えたほうがいい。ここを混同したまま辞めると、次の職場でも同じ壁にぶつかります。この記事は、その線引きと次の一手の話です。
この記事でわかること
・上司に詰められてつらいのは、INFPの弱さではなく「相性」の問題だということ
・「上司が無理」なのか「営業そのものが無理」なのかを切り分ける判断基準
・詰める文化から離れやすい、INFPに向いた営業の種類と職種
・相性で失敗しないための、20代の転職の進め方
「ロボットが売った方がマシ」——閉店後のバックヤードで
閉店後のバックヤードで、売上表を前に上司から言われた言葉を、僕は今でも覚えています。「お前が売るより、ロボットが売った方がマシだな」。その月、32台の販売目標に対して、僕は4台しか売れていませんでした。反論の言葉は何ひとつ出てこず、手先が冷たくなっていくのを感じながら、ただ突っ立って、この時間が終わるのを待っていました。
詰められている数分間は、心臓の音が自分でも聞こえるくらい鳴っていました。そして厄介なのはその後です。家に帰っても、布団に入っても、あのバックヤードの場面が何度も再生される。次の日の朝、店の入口が見えてくると足が重くなる。売れないこと以上に、「売れない自分は人として劣っている」と毎日突きつけられている感覚が、いちばんしんどかった。
内向型の営業マンだった当時の僕は、この「詰め」の圧を、人の何倍も深く受け取ってしまっていました。強く言い返せる同僚は、詰められてもその場で流していく。でも僕はできなかった。言葉をそのまま持ち帰って、夜中に何度も噛み直してしまう。これは根性の問題ではありません。刺激を深く処理してしまう気質と、価値観で動くINFPの内面が、「数字で人を追い立てる文化」と根本から噛み合っていないだけです。
1. 数字を、そのまま人格否定として受け取ってしまう
「今月4台」という事実は、本来ただの数字です。ところがINFPは、それを「自分という人間の評価」に直結させて受け取りがちです。上司は数字を詰めているだけでも、あなたは存在を否定されたように感じる。この受け取り方のクセがあるかぎり、詰める文化の職場では自己肯定感が削られ続けます。
2. 大きな声・詰めの圧に、内向型は人の何倍も消耗する
朝礼で気合いを入れ、その場のノリと勢いで押していく——そういう空気そのものが、静かに考えたいINFPには消耗になります。しかも詰められた場面は一度で終わらず、家に帰ってから何度も頭の中で再生される。その日一日ぶんの気疲れを、夜にもう一度払わされているようなものです。
3. 「相性の悪い上司」から逃げ場がない構造
販売職や店舗営業は、上司と一日中同じフロアにいます。合わない相手から物理的に離れられない。この「逃げ場のなさ」が、相性の問題を実際以上に深刻に感じさせます。逆に言えば、上司との距離感を選べる働き方に移るだけで、つらさの半分は消えることもあるということです。
「上司が無理」と「営業が無理」を切り分ける3つの問い
辞める前に、この3つを自分に聞いてみてください。全部を一緒くたにして「営業向いてない」と結論を出すのは、まだ早いかもしれません。
① 上司が別人だったら、今の仕事はラクになりそうか。イエスなら、問題は営業ではなく「相性」です。
② 扱っている商品や顧客そのものは、嫌いではないか。誰かの役に立てた瞬間に、少しでも手応えを感じたことはないか。
③ 詰めて売るのではなく、じっくり相手の課題を聞いて提案する営業なら、続けられそうか。
①と③にイエスが多いなら、あなたに必要なのは「営業をやめること」ではなく「詰めない営業に移ること」です。
詰める文化から離れやすい、INFP向きの営業の方向性
同じ「営業」でも、追い立てる営業とじっくり型の営業では、必要な資質がまったく違います。INFPの共感力や誠実さが、むしろ武器になる場所があります。用語の初出には解説ページのリンクを付けておきます。
インサイドセールス
内勤中心で、飛び込みや詰めの文化から距離を取りやすい職種です(IS(インサイドセールスとは?))。数を回すより「見込み客と丁寧に関係を育てる」仕事なので、静かに考えて動きたいINFPと相性が良い方向性です。
カスタマーサクセス
売って終わりではなく、契約後の顧客に伴走して成功を支える役割です(CS(カスタマーサクセスとは?))。「相手の役に立ちたい」という動機で動けるので、価値観に反する売り方の苦痛が起きにくい。共感力がそのまま成果につながります。
無形商材・課題解決型のBtoB法人営業
その場のノリではなく、相手の課題を聞き込んで長期で信頼を築くタイプの法人営業です(BtoB(ビートゥービーとは?))。詰めではなく「考える力」で評価される場所なら、量販店で削られていた資質が、逆に強みとして効いてきます。
その後、僕がどうなったか
量販店を辞めたあと、僕はすぐにうまくいったわけではありません。「詰められるのが怖い」という感覚を引きずったまま面接を受けて、何社も落ちました。話そうとすると言葉が出てこない。志望動機を聞かれても、頭が真っ白になる。正直、「やっぱり自分はどこでも通用しないんじゃないか」と思った時期があります。
変わったきっかけは、面接を「その場のアドリブ勝負」だと思うのをやめたことでした。話すことをキーワードだけ決めて、結論から短く言う。それを繰り返し練習したら、あの動悸が少しずつ消えていった。そして受かった先で、僕は法人営業、そしてインサイドセールスへと移りました。
移った先で変わったことは、はっきりあります。数字が届かないだけで人格まで否定されるような、あの理不尽な詰めが無くなった。上司が「追い立てる人」から「一緒に打ち手を考える人」に変わった。売り方が価値観に反しないので、家に帰ってから場面を再生して落ち込むことも減りました。
一方で、正直に書いておきたいのは、変わらなかったこともあるということです。大人数の会食や、とっさの雑談は今も苦手です。内向型ゆえの気疲れが完全に消えたわけでもない。転職は「万能の解決」ではありませんでした。ただ、削られ方の種類が変わった。人格を否定される消耗から、自分の気質とつき合う程度の疲れへ。この違いは、当時の僕が想像していたよりずっと大きかったです。
あの頃の僕を動かしてくれたのは、20代の転職を知り尽くした人が「新卒と違って、たくさん落ちていい。そのうえで人に恵まれた会社を一緒に探そう」と言ってくれたことでした。一人で抱えていた不安を、プロと言葉にするだけで景色が変わりました。
詰めてくる上司が普通じゃない。相性の悪い環境で消耗し続ける前に、詰めない・人に恵まれた会社を20代専門のプロと一緒に探す。
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まとめ
「エージェントに相談するのも不安」「そもそも転職を成功させる自信がない」という人には、プロに伴走してもらいながら教わって身につけるという道もあります。
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