「誰でもできる仕事」と言われて入った職場で、3ヶ月経っても4ヶ月経ってもできる気がしない。毎日のように注意され、そのたびに「自分には価値がないんじゃないか」と思う——。もしあなたが今そう感じているなら、この記事はあなたのために書いています。
結論から言います。仕事ができないつらさの多くは、あなたの能力そのものの問題ではなく、加点がなく減点だけが積み上がる環境と、あなたとのミスマッチです。僕自身、家電量販店の売り場で毎日詰められ、「社会人として終わっている」と本気で思っていました。それが転職活動を経て、どう変わったのかを正直に書きます。
この記事の結論(先に要点だけ)
・「仕事ができない=価値がない」ではない。減点しか生まれない環境では、誰がやってもできない人に見える。
・自分の市場価値を一番低く見積もっているのは、たいてい自分自身。実際に動くと評価は変わる。
・20代は「今できること」より「これから吸収できること」で見られる。遅すぎることはない。
・まずは棚卸し。自分の強みを一人で探すより、第三者に言語化してもらう方が速い。
「ちゃんとやって」と毎日言われ続けた日々
家電量販店の売り場にいた頃、僕がSV(スーパーバイザー)から毎日10回は言われていた言葉があります。「ちゃんとやって」。注意力が散漫で、何をやってもミスが多かった僕にぴったりの言葉でした。
自分では丁寧に、慎重に、それでいて遅いと言われないようにスピードも上げてやっているつもりなのに、なんでできないんだろう。入社時には「覚えれば誰でもできる仕事」と言われて入ったのに、3ヶ月経っても、4ヶ月経っても、一向にできる気がしませんでした。
そのうち、こう思うようになります。誰でもできる仕事ができないなら、自分には価値がないんじゃないか。転職する先なんてどこにもないんじゃないか——。当時の僕は、自分の値段を限界まで低く見積もっていました。
あなたが「できない」と感じている正体
まず、今あなたが抱えている感覚を分解させてください。「仕事ができない」とひとことで言っても、その中身はいくつかに分かれます。
① 加点がなく、減点しかない仕事
僕がやっていたのは、お客様の情報を正確に処理して会計まで済ませる仕事でした。少しでも違う色、違う機能、違う場所に配送したら即クレーム。間違えたら怒られ、丁寧にやれば「遅い」と言われる。100点が当たり前で、100点以外はすべてマイナス。こういう仕事では、どれだけ頑張っても「できて当然、できなきゃ叱られる」にしかなりません。達成感がゼロなのは、あなたが鈍いからではなく、構造的に加点が存在しないからです。
② 「誰のために働いているか」が見えない
当時の売り場は、お客様より店長の機嫌が優先される世界でした。気分で配置が変わり、フロアに店長が来ただけで売り場に緊張が走る。お客様が怒っていない完全な事故でも、社内では怒られる。「誰のために働いているんだろう」という問いが毎日こみ上げてきて、仕事の意味そのものが削られていきました。意味を感じられない仕事で高いパフォーマンスを出すのは、そもそも人間には難しいことです。
③ 教わっていないのに「できない」と評価される
「ちゃんとやって」には、具体的な指示がほとんど伴っていませんでした。何をどう変えればいいのかは教えられないまま、結果だけを責められる。これは指導の放棄であって、あなたの吸収力の問題ではありません。教えてくれる人がいる環境なら、同じ人でもまったく違う評価になります。
この3つに心当たりがあるなら、問題はあなたの能力ではなく、あなたを「できない人」に見せてしまう環境の側にあります。でも、渦中にいると、それがなかなか見えません。
「自分には何もない」と思い込んでいた僕が最初につまずいたのは、自分の良いところを自分で言葉にできなかったことでした。あの頃の僕に教えたいのが、これです。
「できない」のではなく「向いていない」だけ、を見分ける
僕が転職してから一番腑に落ちたのは、この一文でした。
「仕事ができないのではなく、圧迫される環境が向いていなかっただけ」。
同じ人間でも、減点だけの環境では「できない人」に、加点を返してくれる環境では「伸びる人」になります。だから大事なのは、自分を責め続けることではなく、今の「できない」が能力の問題なのか、環境との相性の問題なのかを切り分けることです。
切り分けの目安は単純です。「教えてくれる人がいるか」「頑張りが加点として返ってくるか」「お客様や成果ではなく、上司の機嫌が評価の中心になっていないか」。このうち複数が当てはまるなら、それは相性の問題である可能性が高い。環境を変えるだけで、驚くほど楽になることがあります。
販売・接客で消耗した人に向いている方向性
僕は家電量販店の販売から法人営業、そしてインサイドセールスへと移りました。実際に自分が動いた範囲と、周りで同じように抜け出していった人たちの例をもとに、消耗しにくい方向性を挙げます。職種名の意味は本文末の用語ページでも補足します。
インサイドセールスという選択肢
IS(インサイドセールスとは?)は、電話やメール・オンラインで見込み客とやりとりする内勤型の営業です。飛び込みや土下座のような「気合い」で売る昭和型の営業とはまったく別物で、トークの型やデータにもとづいて動きます。相手の顔が見えない分、話すのが得意でなくても準備と段取りで戦えるのが、消耗していた人に合いやすいポイントです。
カスタマーサクセス
CS(カスタマーサクセスとは?)は、契約してくれたお客様が成果を出せるよう、継続的に伴走する仕事です。新規を追い続ける数字のプレッシャーより、一人のお客様とじっくり関係を作ることに価値が置かれます。「人を押し切って売る」のが苦手でも、相手に寄り添う力があるなら、むしろ強みになります。
法人営業(ルート・既存顧客中心)
同じ営業でも、BtoB(法人向けとは?)の、特に既存のお客様を担当するルート型は、売り場の接客とは消耗の質がまったく違います。論理と計画で進み、関係が続く前提なので、短期の押し込みで疲弊しにくい。僕が移った先も、壁に数字を貼り出すことも外回りで走り疲れることもない、落ち着いた現場でした。
どれが合うかは、性格や価値観によって変わります。自分のタイプから向き不向きを整理したい人は、MBTIタイプ別の営業転職診断も参考にしてみてください。
「でも、こんな自分を採ってくれる会社なんてあるのか」。当時の僕が一番こわかったのはそこでした。不安だらけだった僕を支えてくれたのは、こういう20代専門のサポートでした。
「価値がない」と思っていた僕が、動いたらどうなったか
ここからは、実際に僕が転職活動でどうなったかを、脚色せずに数字で書きます。きれいごとにしたくないので、うまくいかなかった部分もそのまま残します。
先に退職日を決めてから、約2ヶ月の短期戦で動きました。職務経歴書を書き、応募し、面接を受けた結果がこれです。
3割ちょっとしか書類が通らず、落ちた数の方が圧倒的に多い。でも、「自分に価値がない」と思っていた人間が、出せば一定数は面接までたどり着き、最終的に2社から内定をもらえた。この落差が、当時の僕の思い込みを静かに壊してくれました。
転職活動の途中で、販売時代の先輩には「お前じゃ営業は無理だろ」と言われていました。社会人としての人間力が足りない、接客も販売レベル、メンタルも弱い、と。正直に言うと、その指摘は半分は当たっていました。社会人スキルは足りていなかったし、電話も苦手でうまく案内もできなかった。
それでも入社してみると、残りの半分は違いました。少なくとも僕が入った会社は、常に論理的で計画的に物事が進み、活気がありながら思いやりが残っている職場でした。周りの仲間が教えてくれて、徐々にコツも掴めた。壁に数字を貼り出す、外回りで走り疲れる、先方に土下座する——そういうイメージは、昭和の残像であって、令和の営業はもっとスマートだったんです。
転職活動で、エージェントにかけてもらった言葉もよく覚えています。「吸収力の高い20代は、企業が即戦力よりも欲しがる人材」「自分が思うコンプレックスって、意外と相手は思っていない」「弱みが強みには変わらないけれど、見つかっていない強みはたくさんある」。課題や強みを整理してもらえたこと以上に、「自分でもできる、社会人として死んでいない」と思い直させてくれたことが、いちばん大きな価値でした。
もちろん、転職は万能薬ではありません。今でも電話の前に身構えることはあるし、苦手なことが消えてなくなったわけでもない。変わったのは、苦手が「ダメなやつの証拠」ではなく、ただの特性として扱われるようになったことです。それだけで、仕事はずいぶん息がしやすくなりました。
まとめ:自分を安売りしないために
最後に、この記事で一番伝えたかったことを整理します。
「自分の言葉で話すのが苦手で、面接が不安」という人も多いはずです。僕もそうでした。話し下手で言語化が苦手な自分に真摯に向き合ってくれたのが、面接対策を一緒にやってくれるプロでした。
「エージェントに頼るのもまだこわい」という人には、基礎から教わって自分の力で内定を取りにいく選択肢もあります。
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。紹介しているサービスの利用は無料で、筆者が実際の転職活動で感じた悩みや、各サービスの公開情報をもとに編集しています。体験談は筆者(かんた)自身の家電量販店・法人営業・インサイドセールスでの経験の範囲で記載しており、紹介している個別の転職エージェントを筆者が利用したという意味ではありません。最終的なサービスの選択はご自身の判断で行ってください。


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